お気楽な猫の毎日
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ゆく川の流れは…
今日から今学期の多読クラブがスタート。
思い思いに本を読んでいる学生のそばで、私もしばし自分が読みたかった本を読んでおりました。

田口ランディの『被爆のマリア』という短編集、広島に原爆が投下されて60年後を舞台にした作品が収録されています。
その中の『時の川』という作品がとても心に残りました。

広島で被爆した女性が、その後発展を遂げた町を見回し「原爆の前と後で変っていないのは、この川の水だけだ」と思うくだりがあるのですが、方丈記の冒頭の「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」という文を思い出しました。「川の水」の比喩の使われ方は正反対なのですが、どちらも儚い人の世をうまく捉えていて心に残りました。

今日初めて参加した学生が、「どうしてもこの本を読み終えたいから、先生ちょっと待って」と、4時ギリギリまで粘っていました。学生が日本語の本に夢中になっているのを見るのは、私にとってとても嬉しい時間でした。

田口ランディの作品、色々読んでみたいです。

2014.04.11 Fri 18:49
最近読んだ本
日本ではとっくの昔に話題になった本ですが、最近ようやく読みました。

『永遠の0』百田尚樹
自分たちの知っている祖父が実は祖母の再婚相手で、本当の祖父は第二次世界大戦末期に特攻隊員として戦死していたことを知った20代の姉弟。二人は祖父の戦友を訪ね歩き、祖父がどんな人物であったかを探っていきます。

『13階段』高野和明
仮釈放された純一は元刑務官の南郷に誘われて10年前に起こった殺人事件の真犯人を探し求めます。事件の犯人として逮捕された死刑囚の刑の執行が刻一刻と近づく中、事件直後の事故で記憶を無くした死刑囚が唯一思い出した「階段」の記憶を手がかりに二人は真実に迫ります。

どちらの本も緻密なストーリーに引き込まれ、結末が知りたくて読み続けてしまいました。最近パソコンやモバイル機器ばかりいじっていて読書から遠ざかっていた私ですが、これを機に「積ん読」傾向にあった蔵書をどんどん読んでいこうと思いました。
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2013.07.09 Tue 09:57
明日の記憶
『明日の記憶』 (荻原 浩) を読みました。
ashitanokioku.jpg50歳になるかならないかの若さで若年性アルツハイマー症候群であることが分かった主人公が、徐々に進行する病気と向き合って行く様子を描いた小説です。若い医師の誤診ではないかと否定し、まだ大丈夫だと進行を認めず、でも最終的には、痴呆症に罹った陶芸の師匠とともにお互いにボケていることを笑いながら酒を酌み交わす…ハッピーエンドではないことは最初から分かっていましたが、なんとも切ないストーリー展開でした。

読んでいて「これは他人事ではないなぁ…」とジリジリする不安も感じました。若くても年を取っても、いつどんな病気になるかは分かりません。自分と同世代の人が亡くなってもおかしくない年齢になり、自分の最後はどうなるのかな?と考えずにはいられませんでした。
この小説の主人公のように、自分の家族の顔や名前まで忘れてしまっても、なお体力はあり、生き続けるのか。それとも、病に伏してあれこれチューブにつながれた状態になってしまうのか。どちらにしても、周りの人間に迷惑をかけずにポックリと逝きたいものです。…が、どうやらそれが一番難しそうです。

2011.04.30 Sat 08:12
クライマーズ・ハイ
先日、日本でDVDを見た直後に買った原作本、読了しました。

climbershigh.jpg映画版よりも原作の方が内容が濃いのはもちろんですが、新聞社内の人間関係の軋轢に中心が置かれていた映画版に比べ、主人公の悠木の家族関係も深く描かれていて、日航機墜落から17年経ってなぜ悠木が衝立岩登頂に挑戦したのか原作を読んでようやくきちんと理解できました。

映画では主人公の悠木を演じたのは堤真一でしたが、堤真一じゃ、ちょっと格好よすぎかな。
もっと中年男の優柔不断さや家庭で孤立している悲しさを漂わせている俳優が演じたら、もっと原作の味に近いものになっていたのになぁと感じました。でも、そうすると、興行成績は伸びなかっただろうと思うので、(特に邦画の場合には)ある程度花のある俳優を主演に据えてしまうのは仕方がないんでしょうね。


2011.01.02 Sun 11:18
The Good German
毎週木曜日の午後はお洗濯の時間なんですが、最近は大家さんちの洗濯物が乾燥機に残っていたりして、コインランドリーに出かけています。(コインランドリーで一度に何台もまわせば最終的には時間節約になるのでいいんですが…)

ここ三ヶ月ほど、洗濯している間のお供は『The Good German』という小説でした。終戦直後のベルリンを舞台に、取材のために訪れたアメリカ人記者がかつて恋人だったドイツ女性を探す…というストーリーなのですが、やがて訪れる冷戦時代に向けての様々な陰謀が渦巻いている、ミステリー小説です。(邦題は『さらばベルリン』
読み終わるまで三ヶ月もかかったのは、何だか細かい描写が多くて途中で飽きちゃったせいなんですが、それでも最後まで読みました。というのも、この小説は去年映画化されていて、その主演はジョージ・クルーニーなんです。知的で渋いジョージにはこのちょっと暗めの映画の主演がぴったり~。movie tie-inで本の表紙もかっこいいでしょ。

というわけで、映画を見る前に何とか原作を読んでしまおうと思ったわけです。映画はなぜか町の映画館では公開されなかったのですが、来週にはDVD発売!ちょうど間に合いました。

2007.05.18 Fri 22:07
Extremely Loud & Incredibly Close
この小説の作者Jonathan Safran Foerは、『Everything is Illuminated』という映画の原作者です。

「September 11」で父親を亡くした9歳の少年オスカーが、お父さんのクローゼットの花瓶に入っていたカギを見つけます。「何のカギなんだろう」手がかりはカギが入っていた封筒に書かれた「Black」という言葉だけ。ちょっとこましゃくれた少年、オスカーの探し物の長い旅が始まります。その旅は、父親の突然の死を受け入れたくないオスカーの「mourning process」なのですが、そこに40年も前に家族を捨てて出て行った祖父などが絡んで来て、オスカーの父方の家族の秘密も明らかになっていきます。

この本を読みながら、夏にNYに行った時のことを思い出しました。World Trade Centerの跡地の駅には、9/11で親を失った子供達が描いた絵やメッセージが貼られていました。いつもの朝と同じように出かけていった家族がもう二度と帰って来ない…さようならを言うこともできなかった…どうしてこんなことが起こったのか…大人でも答えは見つからないのではないでしょうか。ましてや子供達には理解しがたいことだと思います。小説の中のオスカーの叫びに触れて、切ない気持ちになりました。

2007.01.25 Thu 20:41
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Author:emmynyaa
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